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最高裁判所第一小法廷 昭和43年(オ)528号 判決 1968年7月25日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人鶴見恒夫の上告理由第一点ないし第三点について。

原判決挙示の証拠によれば、原判決の認定した事実を肯認することができ、右認定した事実に徴すれば、被上告人の運転者垣内義治には本件事故について過失がなく、結局、被上告人は本件事故に関し自己および運転者が自動車の運行について注意を怠らなかつたこと、第三者に過失があつたこと、ならびに被上告人保有の自動車に構造上の欠陥または機能の障害のなかつたことを証明したものであるとして、上告人に対し被上告人は自動車損害賠償保障法第三条本文の規定による損害賠償義務を負わないとした原審の判断は当審も正当としてこれを是認することができる。

原判決には、所論のような違法はなく、所論は、結局、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するか、または原審の認定しない事実を前提として原判決を非難するに帰し、採用しがたい。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 松田二郎 裁判官 長部謹吾 裁判官 岩田 誠 裁判官 大隈健一郎)

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